ハイライト
ウボンラット妃、クロントイ訪問
2月24日、プミポン国王(ラマ9世)の長女にあたるウボンラット妃がクロントイ地区を訪問されました。ウボンラット妃は、ほほえみ9,10月号で紹介しましたプロイパイリンさんの母親にあたり、今回の訪問は麻薬撲滅キャンペーンの一環としてのことです。
当日、ウボンラット妃は赤いTシャツにジーンズという軽装で現れ、とても近しく感じられました。同妃は、まずパタナー共同体小学校にて、スダラット保健相、ノパドン警察中将、そしてプラティープ事務局長から、麻薬問題とクロントイスラムの現状を、さらには当財団が運営するチュンポン及びカンチャナブリの「生き直しの学校」の説明を受けられました。また、住民代表からスラムの生活の様子についても説明を受け、質問にも気さくに答えておりました。
その後、ウボンラット妃はクロントイ1−2−3地区、及び同地区の幼稚園を見学され、途中麻薬撲滅のパンフレットを配られながら多くの住民とも会話を交わされておりました。
約2時間にわたる訪問は各テレビ局によって放送され、さらには翌日の新聞各紙の1面を飾るなど、タイ国内において、非常に注目される出来事でした。
(森下 尚)
遊戯会と卒業キャンプ
お遊戯会で踊りを披露する子ども(左)と科学館でレクチャーを受ける年長組の子どもたち(右)
暑季が近づき、そろそろ長期休暇に入る3月2日、プラティープ幼稚園では園児たち一年間の学習指導の成果を発表する遊戯会を催しました。今年で14回目を迎えた遊戯会には、園児205人と保護者150人が参加し、半日間、教師たちが企画したゲームや作品づくりを楽しみました。さらに園児たちによるエプロンシアターや遊戯などユニークな出し物で会場内はにぎわい、保護者たちは子どもたちが何事にも積極的に取り組んだり、物怖じしなくなったなど、非常に成長したことに感動していました。今回は保護者の参加率が、これまで幼稚園が企画した活動に比べて、高かったとのことです。
また、少ない金額でも子どもの学習に役立つのであればと、タイの珍味と云われるソムタム(パパイアサラダ)づくりの材料費を全て保護者グループが提供してくれました。こうして、普段の机の上の学習とは異なる体験学習が可能になったのです。
一方、3月7日と8日の2日間、卒業する園児たち(6歳)60人を送るお泊り保育を幼稚園の敷地内で行いました。16回目を迎えた開会式でプラティープ事務局長は、園児たちに対してお泊り保育の主旨として新学期から小学1年生に入学するにあたり、「ともだちと恩師への感謝」について説明しました。開会の後、園児たちは市内の科学館を見学し、自分たちが住む地球や宇宙・星座などに大変興味を持ちました。科学館に魅了されたその日の夜の活動では星座の話しに夢中になり、保護者も一緒に交えて「誓いの糸」を互いの手に結び、教師や卒業生(すでに小学校に通っている)は園児たちの巣立ちを祝いました。
(中川紀子)
山岳地帯を駆ける「おはなしキャラバン隊」
スラム地区や地方のお寺と学校で巡回公演をしているプラティープ財団の「おはなしキャラバン隊」は、チェンライ県3つの郡(14ヶ所の学校)を巡回公演してきました。ここ3年間にわたる北部方面の巡回キャラバン活動の支援者は、茨城キリスト教大学で教鞭をとっている柏原信幸教授で、中国及びミャンマーの山岳民族を研究しておられ、山岳民族の貴重な伝統文化に関心を持たれ、彼らの文化を人形劇で世に伝えたいという考えを持っておられます。今回の巡回公演は、チェンライ県で山岳民族の学生寮を運営しているNGO団体と教会のシスターたちに対して「人形づくり」の講習会と「おはなし(人形劇)」のすばらしさを広めていくことが目的でした。
同じタイ国内でも、タイの文化と異なる山岳民族の文化に触れたキャラバン隊のメンバー(ボランティアグループで結成)は、新たな感動を体験したのと同時にいろいろと勉強になったようです。キャラバン隊は今回の暑期休暇中(3月〜5月中旬まで)に巡回公演を150ヶ所のスラム地区で予定していますが、子どもたちは心待ちしているようです。
(中川紀子)
クロントイ消防団
前回の「ほほえみ1,2月号」でクロントイ・ボンガイスラムでの火災をお伝えしました。スラムのような木造住宅密集地帯で火災が発生した場合、火の広まりは早く、迅速な消火活動が要求されます。
タイにも公設の消防署がありますが、発見者が警察に連絡した後に消防署に情報が行き、バイクで火事の有無を確認してから出動するという複雑な過程をふむために消火活動が開始されるまでとても時間がかかります。
クロントイ地区をはじめとするいくつかのスラムでは自主消防団が存在します。現在、バンコク都内40地区500人の団員がいてその内200人がクロントイ地区の住民です。団員のほとんどが消防団の話しを聞いて自ら参加を決めたボランティアであり、仕事を持っている人もいます。当財団消防団の場合、昼間5〜6人の団員が常駐し、夜間には10〜15人が集まり、いつ起きるかわからない火事に備えて待機しています。また、多くの人が集まれる夜間に消火活動をはじめとしたトレーニングを行っています。
火事を発見した場合、団員が無線で連絡を取り合いながら出動します。現在、消防車が全部で7台あり、そのうち4台が財団所属です。さて、消防車が現場に到着してすぐに消火活動が始められるかといいますと、そうはいきません。毎年1月、アメリカのWPIの学生が財団へ調査にやってくるのですが、今年のグループは消防団をテーマに行いました。彼らの報告によれば、いち早く現場に着いても電気の切断が行われないために迅速な消火活動が行われないという電力会社との新たな問題を指摘しました。
現場では無線で消防署と連絡を取りながら電気の切断状況の確認、団員同士も常に注意を払い合いながら、少しでも被害が広まらないように消火活動を行っておりますが、常に危険と隣り合わせの状況です。実際、昨年クロントイ地区ではありませんが20歳の団員が消火活動中に感電死する事故が起っています。WPIの最終報告会には消防団をはじめ、地域の代表、警察、消防署、それに電力会社の職員が招待され開催されました。これを機に今後、より安全で迅速な消火活動ができるようにネットワークができることを期待しています。
クロントイ消防団の歴史は今からさかのぼる事、約10年。「1日1バーツ学校」の卒業生で地域の青少年活動のリーダーとして活動してダムロン氏によって始められました。当時は機材なども少なく、普通のトラックの後ろに道具を乗せて活動していたそうです。その後、日本の豊中ロータリークラブ様から寄贈していただいた消防車を中心に活動の幅が広まっていき、現在の規模にまで達し、NGOとしても認知されるようになりました。発足当初は、団員の目印であり、夜間でも目立つオレンジ色の活動着を着るものが少なかったのですが、今ではしっかりと着用しています。
現在では更らにクロントイ地区の子どもたちを対象にワークキャンプを開催しています。会場に広いカンチャナブリの「生き直しの学校」の施設を使い2泊3日で開催されます。1回には約80〜100人、10〜15歳の子どもが参加し、今年は7回開催する予定ですでに2回行いました。複数回の参加が認められてないので合計600人程度の子どもが参加することになります。子どもたちは2人ずつテントで生活し、朝の運動、昼間は消防に関するレクチャー、そして最終日にはプラティープ、プラコーン先生による麻薬に関する講話です。
このキャンプを通して子どもたちが小さな体でも消火ができること、麻薬から自分を守ること、そして自分の価値に気づくことを願っています。キャンプの参加者の多くは女の子ですが麻薬にはしりやすい男性に対して、女性側が正しい知識があれば予防が可能であると考えています。「キャンプに参加した子どもたちがセミナーのことを思い出して初心に戻れるように…」クロントイ消防団の挑戦はさらに続きます。 (森下 尚)
秦 辰也氏講演会
3月28日バンコクにて、秦 辰也氏による「住民参加のまちづくり〜クロントイ・スラムの事例」と題した講演会が開催されました。この会は、国際交流基金バンコックセンター主催のもので、当日はコメンテーターにスリチャイ・ワンゲーオ、チュラロンコン大学准教授を迎え「ゴミと卵を交換するリサイクル事業」と「麻薬撲滅キャンペーン事業」を中心に公演されました。
チュンポン「生き直しの学校」
学生寮を新設
現在、チュンポンの「生き直しの学校」では、約100名の青少年たちが共同生活をしております。開校以来、青少年の数が増えるたびにその規模を拡張してきましたが、現在の学生寮は狭く、老朽化も進んできています。
このたび、日本の「草の根無償資金協力」を得て、学生寮を新築することになり、2月27日在タイ日本大使館にてプラティープ事務局長と時野谷敦全権大使の間で調印式が行われました。
日本大使館にての調印式
=編集後記=
・3月中旬、子どもたちは学年末テストを終えて2ヶ月の長い夏休みに入りました。財団周辺も毎朝見られた登校風景が無くなり、1日中、子どもたちが施設内や周辺で遊んでいるようになりました。よく見ていると日増しに髪の毛を赤や茶色に染めた子どもたちが増えていきます。日本の高校生と同じで休みの間だけ髪の毛を染めるのが流行っているようです。
・2、3月と日本では春休みになるため、タイ国内を旅行する学生の姿をよく見ました。同様に研修やスタディツアーでクロントイの財団本部やカンチャナブリの「生き直しの学校」を訪問される学生グループも多くおられました。タイは本格的な夏を迎え、日中は35度以上の暑い日々が続いています。その中スラム見学、カンチャナブリでの活動とまだ涼しい日本から来た皆さんにはきつかったのではないのでしょうか。
・タイにも携帯電話がありますが、日本と同じように着メロ(着信音)や待ち受け画面のダウンロードが流行っています。といっても着信音は単音、画面も単色なので日本に比べたら劣るかもしれません。2周年を迎えたBTS(高架鉄道)に乗っていると、ときどき着信音が聞こえてきます。日本の様にマナーモードの定着はありません。さすがに学校の授業中や映画館では切りますが…。
(ほほえみ編集室)
ハイライト
「子どもの日」イベントを開催


みんなでゲームに集中(左)、スダラット女史、プラティープ事務局長、プラコーン副事務局長で開会宣言(右)
「サワディーピーマイ(あけましておめでとうございます)」と、いいましてもタイでは正月が西暦の新年、旧正月、そしてタイ正月(ソンクラーン)と3回あるので、日本ほどお祝いの雰囲気はありません。ドゥアン・プラティープ財団も1月2日が仕事初めです。今年も1年よろしくお願いいたします。
さて、日本では「子どもの日」といえば5月5日ですが、タイの場合1月の第2土曜日であり、今年は1月12日にあたります。ドゥアン・プラティープ財団及びシーカー・アジア財団等のクロントイ地区で活動するNGO,住民組織委員会が中心となり、今年も「子どもの日」イベントを財団事務所前の広場、及び幼稚園で開催しました。
当日は保健大臣スダラット・ゲユラパン女史の開会宣言に始まり、パタナー共同体小中学校に通う児童、生徒を中心にスラム41地区から集まった子どもたちは、10のアトラクションに挑戦しました。なかでもクロントイ消防団が企画した「避難ゲーム」は、子どもたちが目隠しをしたまま障害物があるトンネルから脱出するのですが、途中待機している団員がベビーパウダーをかけるので脱出した時には、真っ白になっており、目隠しを外した瞬間思わず笑ってしまうという楽しいものでした。また、特設ステージではテレビ局が生中継で放送する中、子どもたちがグループごとに歌や踊りを披露しました。
今回、このイベントを行うにあたり「子どもの日」活動支援金を募りました。ご協力いただいた方々に心から御礼申し上げます。
(森下 尚)
ノンマイ幼稚園建物の竣工・開校式

一昨年5月15日、ノンマイ地区に火災が発生し、一瞬にして多くの家屋と幼稚園建物が全焼しました。その後、園児たちは主要幹線道路に面して騒音が激しい地区会館を臨時教室として学んできました。そうした中、最初にノンマイ地区の子どもたちに建物を提供してくれた金光教平和活動センター(KPAC)から再建の協力が得られました。そして郵政省国際ボランティア貯金の支援金を受けて建設を着工、昨年末に建物は完成しました。
タイでは毎年1月の第2土曜日が「子どもの日」にあたるため、子どもたちが学ぶ新鮮な建物にふさわしいこの日に開校式を行いました。ノンマイ地区の子どもたちは、何よりも貴重でとても大きな「贈り物」を受け取ることができました。今後、子どもたちは真新しく南国の強い日差しがさし込む建物でのびのびと勉学に励むことでしょう。
(中川紀子)
ニッタヤーさん社会福祉家優秀賞を受賞
この度、タイの公共福祉局・サターチャンパコーンアンスシン財団より、2001年度社会福祉家優秀賞が、当財団エイズプロジェクト責任者、ニッタヤー・プロームポーチュンブルさんに与えられました。
ニッタヤーさんは現在54才。バンコクの南東チョンブリ県の農家に生まれ、小学校を4年生で卒業後家計を助けるため農業を手伝いました。その後17歳で結婚、3人の子どもをもうけました。そして、今から34年前、バンコク・クロントイスラムに移住してきました。
9年の年月が過ぎ、クロントイスラムで生活にもなれた頃、地域内での子どもに対する親からの虐待、麻薬、賭博といった問題に見るに見かね、立ち上がろうと考え始めました。当時は、何ができるかわからなかったのですが、それから5年後クロントイ区から地域に住民委員会の設置が命じられ、ニッタヤーさんのご主人が第9地区の委員に選出されました。
ご主人は住民委員として第9地区に交番を設置、またワットクロントイナイ寺から僧侶を呼び、そこで生活できるような部屋を用意し、仏教的な観点から啓蒙活動を行うようにしました。しかし、活動を始めてから2年後、放火と思われる火災で家を失ってしまいました。この時、地域で活動するNGOに助けてもらったことがきっかけで、『今度は自分自身が何かをしなくては…』と決心しました。それからしばらくして、ニッタヤーさん自身が住民委員に選出され、地域の麻薬撲滅運動を開始しました。
その後、第9地区700世帯で麻薬撲滅委員会を結成、地域内の麻薬常用者29名のレポートをプラティープ財団へ持ってきたことから"Freedom
from drug abuse"というプロジェクトが始まりました。この時に、麻薬常用者の血液検査を行ったところ16人がHIVに感染していることが判明しました。
これがきっかけでHIVに関する資料を集め、エイズとは何かを独学し始めた頃、16人のHIV感染者が地域から追放されてしまいました。「同じ人間として何故」と思いながらエイズに関する知識の向上が必要だと感じたことから、財団エイズプロジェクトがはじまりました。
当時は保健省からいろいろな資料を集めて地域住民のトレーニングにつとめ、また、感染者の家族に対しては一緒に生活できるようエイズを理解してもらうことにつとめました。その結果、追放された16人のHIV感染者も戻ることができました。
現在では、地域の学校などにも出向き、エイズの知識のみならず性教育の指導などを通してその活動を行っています。
ニッタヤーさんは今回の受賞は私個人に対してではなく、今まで活動をしてきた住民委員をはじめ、財団、地域住民に贈られたものであると言ってました。
(中川紀子)
奨学金だより
昨年12月1日・8日に、クロントイ・ボンガイ地区で2度の火事が発生、165家屋、550世帯が全焼する大惨事となりました。折りしもタイは最も涼しい乾季の只中、住まいを失った人々は寒さに耐えながら、歩道脇でのテント生活を余儀なくしています。火災の原因は電気のショートでしたが、一帯の家々は密集していたため、消火活動は困難を極め大惨事へとつながりました。日中の出来事でほとんどの人々は逃げ出すことができましたが、死者2名を出しました。


火災現場の様子
火災が収まった後、本財団が被害状況や概況について被害者へのインタビューを行った結果、大多数が貧困者層で日雇いの仕事についていることがわかりました。そこで被害にあった子どもたちへの支援活動を実施、118人の子どもたちに教育用品や学生服購入費として、合計118,000バーツを支給しました。また、1月にクロントイ・70ライ地区で発生した火事の被害者である12人の子どもたちへも同様に合計12,000バーツを支給しました。このような緊急で必要度の高い活動を、支援者の皆様からご寄付いただきました緊急福祉資金で運営しています。
また、教育奨学金を受けている奨学生で、スポンサーが辞めてしまった、今年の奨学金がまだスポンサーから送金されていない等の状況にある奨学生233人へ合計1,091,500バーツを支給しました。
その他、奨学生及び地域の子どもたちを対象としたキャンプや社会見学、郊外学習活動、奨学生の保護者を対象とした学習会・セミナーなどを開催し、2001年の緊急福祉資金として、総計1,544,429バーツを支出しました。

スタッフ一同、この場をお借りしまして寄付をいただきました皆様に心よりお礼申し上げます。皆様ひとりひとりの子どもたちに対するお心とお気持ちに感謝いたします。私たちは支援者の皆様と子どもたちの間に立つ橋渡し役を担っていますが、奨学金とともに皆様の暖かい励ましやお心までも一緒に届けられるよう努力し、また受け手である子どもたちの感謝の気持ちと喜びにあふれる姿をご報告できるよう、今後とも努力していきます。また、緊急福祉資金への寄付を随時受け付けておりますので、今後ともご支援いただきますようどうぞよろしくお願いします。
奨学金及び緊急福祉資金への国際送金は、郵便局及び銀行からの送金が可能です。銀行の合併に伴い振込み銀行名が「さくら銀行」から「三井住友銀行(Sumitomo
Mitsui Bank Co, Limited)」へ、受取人口座番号が2041159422に変更していますので、銀行振込の際はご留意ください。
また、教育里親事業部専用の電子メールアドレスができました。同事業部へのご連絡・お問い合わせは、E-mail; sponsorship@dpf.or.th までお願いします。
* 2002年2月現在 1タイバーツ=約3.0円
(ワーサナー サニッムンワイ)
奨学生が日本へ国費留学
財団の奨学生、キッティモントリ・ティプラパイ(17歳・愛称チャーイ)くんが、文部科学省の国費奨学生の試験に合格。今春より東京外国語大学で1年間の日本語研修をし、その後、大学でコンピューター科学・情報技術を学ぶ予定です。このニュースは、スラムの子どもたち、奨学生へ「希望のともし火」をともしてくれています。
チャーイくんは公立パトゥムコンカー高校3年生で、クロントイ第7地区で小さな雑貨屋を営む両親と3人で暮らしています。4年前から本財団の教育奨学金を受ける奨学生でもあります。
留学のきっかけは、チャーイくんの進学への強い思い、そして数々の数学・科学部門で賞を得るなど彼自身の努力と優秀な成績です。受験者数がタイ全国から200人を超えるなか、合格者3人の1人となりましたが、ここにいたるまでに家の経済事情から進学するなら奨学金制度しかないと2年間試験に向けて準備・勉強をしてきました。
チャーイくんの合格は、両親の存在抜きにはありえなかったでしょう。父親は住民委員会の運営委員として麻薬追放や地域の環境改善に積極的に取り組むリーダーの1人です。父親は小学4年までしか学校に行く機会はありませんでしたが、「子どもに機会を与え、選択肢を示し、一緒に悩み考えるのが親の役割」と考え、息子の興味や関心が広がるようにと、チャーイくんが子どもの頃から家の壁にタイ文字表や英語のアルファベット表を張り、様々なジャンルの本を目の届くところに置いてきました。本財団の奨学金の存在も経済的に大きな支援となりました。両親の願いは「自分で決めた道は何があっても最後までやり遂げること、将来は誠実で社会のためになる仕事についてほしい」。
チャーイくんの日本留学は、厳しい環境のなかで勉強に励む多くの奨学生にとって希望のともし火であり目標です。チャーイくんは、「努力が大切。努力を怠らず、機会を探し、チャンスをつかみとること。様々な問題に直面するでしょうが、がんばって乗り越えてください 。」とメッセージがありました。現在は、高校の活動に加えて日本語学習や渡航準備、テコンドウなどに忙しい日々を送っています。日本行については、「わくわくすると同時に、新しい地で知り合いもなく心配な気持ちが同居しています。日本の文化では、スポーツに興味があるので空手にチャレンジしてみたいです。」
チャーイくんの今後の活躍を期待するとともに、1人でも多くの子どもたちがチャーイくんのように教育を通して自分の道を切り開いていってくれることを願い、本財団の奨学金活動を今後とも推進していきます。
(波田美紀)
スラム連合家族運動会


親子3人でスイカを食べるレース(左)と応援する子どもたち
タイの国王誕生日にあたる12月5日にスラム連合家族運動会をプラティープ財団幼稚園にて開催しました。"スラム連合"とあるように当日は幼稚園の子どもだけではなく、保護者や地域の人々が参加しました。
当日は晴天の中、観客席では子どもたちがチームごと揃えた衣装を身に着けて応援をし、運動場では親子3人で大きなパン、コーラ、スイカを全部食べて走る「大食い競争」や足につけた風船を割る「風船割りゲーム」など狭い幼稚園の場を有効に使えるように工夫されたプログラムが用意され、参加者全員が楽しみました。
(森下 尚)
昨年は日本を訪問する機会が数回あり、様々な地域や団体などでご活躍の皆さんとの交流ができ、大変有意義なものとなりました。しかしながら、不幸にも9月の同時多発テロ事件以降、「平和」について討議されていた各団体のスローガンが一瞬にして崩されたような思いがしてなりません。地球上に生きる私たちは、共に生まれ、共に存在して「助け合う」ことによってこそ、そこに「平和」が生れてくるものであると思います。また、私たちは過ちを犯しても、それを慈愛によって「許す」ことで、「平和」が成り立っていくと考えます。
過ちを犯して家族に見放された子たちも、麻薬が原因で家族共々身を滅ぼしてしまった子たちも、親から虐待を受けて心身共に傷ついてしまった子たちなども、私たちと共に生きる存在であり、彼らに「生き直し」ができるチャンスを与え、「許してあげる寛容さ」が必要だと思います。その学校が日本の皆さんのご厚意により完成し、すでに様々なケースで入居している少年少女たちが毎日元気に通学し、元気一杯に過ごしています。
「生き直しの学校」の自然豊かな環境で過ごすことで、日々心が癒されてきた彼らの中には国籍のない子がいます。彼らもいずれは成人する時がやってきます。そんな時、国籍が無いとなれば、これまで傷ついて癒してきた「心」の一部が欠けたような状態をもたらすのは確実でしょう。
また、今から2年前、私は住民たちの推薦により上院議員に就任し、住民たちに対して行政の理解を深めるためにスラム地域を周ってきました。当選後は、タイ全土の社会福祉問題に取り組む任務を与えられています。2002年度は、多くの団体で抱えている無国籍の子たちの問題解決を大きな課題として、日本の皆さんと共に考えていきたいと存じます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
事務局長
プラティープ ウンソンタム秦
中古自転車100台到着
消防自動車が財団にやってきたのがつい数年前のこと。以来、立派な塗装でお目見えした中古の消防自動車は、クロントイ・スラムや他の地域の消火活動に日夜出動しています。そして、今回は豊中ロータリークラブの会員の皆さんから100台に及ぶ中古自転車が財団に到着しました。これらの自転車60台は、チュンポーン県とカンチャナブリ県にある「生き直しの学校」に移送され、残りはスラム地域で活動する青年団たちのフィールドワークのために利用されることになりました。
(中川紀子)
銀行口座番号変更について
日本の皆様から送金していただく際、ご利用いただいている三井住友銀行の口座番号が2002年1月1日より変更されました。お手数ですがよろしくお願いします。
| 旧口座番号 | 新規口座番号 | |
| 一般支援金 | 25058327 | 2041159421 |
| 教育里親事業部(奨学金) | 25058512 | 2041159422 |
「敬老の会」活動支援金のお知らせ
4月はタイ正月・ソンクラーンです。日本では水掛祭りとしてご存知の方が多いと思われますが、本来、祖父母や両親、先生といった年長者に対して幸せや健康をお祈りする行事です。プラティープ財団では今年も高齢者、障害者、住民委員会代表の方、約1,000人を招待して「敬老の会」を行う予定です。
「子どもの日」同様、プログラムを実施するにあたり会場設営及び準備金等の活動資金を募っております。「敬老の会」活動支援金にご協力お願いいたします。
ニュースレター「ほほえみ」Web、E−mail配信を開始
2001年12月より新しいホームページの公開が始まり、ニュースレター「ほほえみ」をネット上で読めるようにました。また、技術的な理由で一時期中断していたE−mail版「ほほえみ」を再開する予定です。E−mail版「ほほえみ」の配信をご希望される方はお手数ですが1、お名前 2、住所 3、メールアドレス 4、郵送版「ほほえみ」の必要・不必要をお書き添えの上、以下のアドレスまでメールを送信してください。
プラティープ事務局長をインターネット上で紹介
ウイスキーで有名な「Johnnie Walker」が世界中で活躍する人々を紹介するホームページ「keep walking」にプラティープ事務局長が掲載されています。是非ご覧下さい。
=編集後記=
・ボランティアのキャスパーが4ヶ月間の滞在を終えてデンマークへ帰国しました。いつも明るく、タイ語ができなくても誰にでも話し掛ける気さくな性格から、「期間は短かったけど記憶に残るボランティア」と財団職員のみんなが言っていました。
・1月12日に「子どもの日」に関連つけて、いくつかの新聞社では子どもたちにアンケートをして記事としておりました。、タイラット紙の「子供の日に両親に願い事をするなら何ですか?」という問いに対して、子供たちは『両親がけんかをしないことを願う』と答えました。また、バンコクポスト紙の「タイの子どもたちが望むもの」という問いに対して「両親の仲が良い温かい家庭が欲しい」と答えました。
・1月11,12日と小泉首相がタイを訪問されました。タクシン首相は政府官邸に小泉首相を迎え会談をした後、国王のいるホアヒンに招待しました。小泉首相は国王とも会談したようです。小泉首相が到着する前、官邸周辺では南タイのプラチュアップキーリガン県に日本が投資に加わっている発電所の建設を差し止めを求める抗議活動がありました。環境が破壊されるということが直接の理由らしいです。
(ほほえみ編集室)